ホリエモン、もし事件がなければどこまで上り詰めていたか?

会社経営が本当に好きなことではない

 ―なぜ宇宙を目指したかったのですか?
 「好奇心ですよ。見てみたくないですか、興味として。それをやりたかったんです。単純に僕らの世代は『2001年宇宙の旅』『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』とか、21世紀になったら人間は火星や木星に行っているよね、と言っていた。僕が生まれる前に、人類は月に行っている。

 俺が小学生に上がるころには火星に行くんじゃないの、という感覚だった。太陽系の外には、俺が大人になるころにはみんな行っているよね。行きたいというよりはなっているのが当たり前。空飛ぶ車より実現性高いと思っていた。でも、そうなっていない。技術的に問題があるわけじゃない。だって40年前に月に行っているんですよ。コンピュータもない時代に。月なんか簡単にいけるでしょう」

 ―では、なぜ行けないのでしょうか?
 「それなのに行けていないというのは、社会の仕組みがおかしいんですよ。そういうところにお金を使わない仕組みになっているんじゃないですかね。あまりにも自分の利益だけを追い求めすぎている。希望を失っているという気がする。全体的な希望。日本で言えば高度経済成長が終わってオイルショックが来て、バブル崩壊して、金融危機がきて、どんどん悪くなると思っている。そうすると、『宇宙開発? 何を言ってんの?』という感じになる。王様がいないからお金は使わない。スペインならコロンブスに王様が探検に行って来いと言えるんですけどね。

 ライブドアにいた頃は、早くつまらない仕事は終わらせたい、と。会社経営が、本当に好きなことではないから。

 僕はそういう性格なんですよ。世界一の会社というのは株主のためにやっている話で俺のためにやっている話じゃないから、義理でやっているし、今まで応援してもらったから、義務みたいなもんだから、早く終わらせたかった。だからさっさと終わらせて、宇宙開発事業とかをやりたいと思っていた」


NASAのロケット打ち上げの様子

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