富裕層向け商品「無利子国債」とは?

 「無利子国債」がちょっとした議論となり、ニュースの話題として挙がっている。これは、言わば利子の付かない代わりに相続税を課されない国債のこと。死亡する人の4%が対象と言われる相続税に直面する富裕層向けの商品ということができる。

 これまでにも何度か議論は出てきたが、ついこのほどは、民主党の小沢一郎前幹事長が声を上げれば、野田佳彦財務相は反対した。もちろん、やってみなければ成否はわからないのだが、過去に実施されたフランスの例を見てみることにする。

 1950年代にフランスでは、ピネー国債として発行された。1952年にインドシナ戦争、58年にアルジェリア戦争と2回の戦争による財政の赤字を埋めるための苦肉の策でもあった。しかし、73年に廃止されているのだ。

 その理由は、富裕層が死亡する直前に相続税を回避しようとして購入が殺到したために、結果として税収減となってしまったからだという。また、本当の目的としては、インフレを抑圧するために市中のお金を引き上げることだったとも言われている。

 日本で相続税の対象となるのは、死亡する人の4%だという。そして、日本の個人金融資産1500兆円の他に、タンス預金は150~200兆円ともいわれている。

 かつて、亀井静香金融・郵政相が200兆円の無利子国債発行を主張したこともあった。一説には、タンス預金を吐き出させるためだともいわれる。

 また、それと同時に「政府紙幣」と同時に発行したりすれば、インフレの可能性も十分に予想される。それで金利が上がるならば、金利を受け取った方がメリットが大きなケースも出てくるだろう。無利子国債が損をするケースもあり得る。

 いずれにせよ、政府がどのような議論をしていくのか、まずは見るしかない。

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