中国三都市の「ザ・ペニンシュラアカデミー」

点心、京劇、風水――とっておきのア・ラ・カルト

　「スエズ運河以東で最高のホテル」をモットーに、1928年に香港の九龍に開業したザ・ペニンシュラ。海沿いの鄙びた町を東アジア有数の社交地へと変えたこのホテルは、20世紀の激動の時代を生き延びながら、76年のマニラを手始めにニューヨーク、ビバリーヒルズ（91年）、北京（9８年）へと進出していった。2007年のザ・ペニンシュラ東京オープンの話題も記憶に新しい。

　現在、満を持して昨年開業したザ・ペニンシュラ上海を含め、香港、北京の在中３ホテルが実施している魅力的なプログラムがある。その名も「ザ・ペニンシュラアカデミー」。もちろん、堅苦しいものではなく、楽しみながらそれぞれの都市文化を学ぼうというエンタテインメントだ。

　たとえば、最初に試みた香港では、マスターの位を持つ点心専門の調理師にレシピを習ったり、太極拳、中国式書道などを体験。人気の風水師の予約もできる。北京では京劇の楽屋に入り、メーキャップをする俳優たちの姿が垣間見られる。上海は建築。国家元首を案内するような一級ガイドの解説で、趣あふれる外灘沿いの歴史建築が堪能できる。

　「ホテルだけではなく、都市自体の魅力をもっと知ってほしかったのがきっかけです」と、ザ・ペニンシュラ香港総支配人、レイニー・チャン氏は語る。言い換えれば、ホテルが先導して街のブランディングを図っているわけだ。

　20世紀初頭、半島（ペニンシュラ）に生まれたホテルが、80年以上の年月を経て中国の魅力をプロモートする。その巧みな戦略には素直に拍手を送りたい。

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ザ・ペニンシュラ上海（日本語版）
http://www.peninsula.com/Beijing/jp/default.aspx#/Shanghai/jp/
ザ・ペニンシュラ香港（日本語版）
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ザ・ペニンシュラ北京（日本語版）
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