コーヒーハンターが再現する「本物のブルーマウンテン」

セラーとボトル――ワインに匹敵するプレミアな味


川島良彰氏
 硬い生豆が香り豊かな粉となり、やがては褐色の液体へと変わる。ワインにも匹敵する液体の錬金術でありながら、コーヒーに関する理解は決して充分なものとはいえない。産地はまだしも、生産年までこだわる人は稀だろう。そんな現状に誇り高く叛旗を翻したひとりの日本人がいる。コーヒーハンターこと川島良彰氏がその人。

 もともと静岡のコーヒー焙煎卸業を営む家に生まれた氏は、エル・サルバドルの大学に留学。その後休学して現地の国立コーヒー研究所に入所し、コーヒー栽培のすべてを学んだ。その後UCC上島珈琲株式会社に入社し、農園開発に携わりながら、買い付けや調査を行った。そしてその名を一躍高めたのが、絶滅したと伝えられていた幻のコーヒー「ブルボン・ポワントゥ」の復活。65年ぶりの快挙に、抜きん出たクオリティとレア度、その高価格による話題性が華を添えた。


 退社後、株式会社Mi Cafeto(ミ・カフェート)を設立。コーヒーの世界ではかつてなかった「グラン クリュ」というコンセプトを掲げた。これは川島氏の30年の経験を踏まえ、樹の選別、栽培、収穫、精選、輸送などで一切の妥協を許さずに生み出した“コーヒーの宝石”。特にユニークなのがその販売方法だろう。元麻布にある世界初のコーヒーセラーに大切に保管され、オーダーを受けてから焙煎し、加圧されたシャンパンボトルで配送される。価格はフルボトル40本分、またはハーフボトル80本分で336,000円。この代金には生豆10kg分、1年間の保管料、焙煎料、日本国内送料などのすべてが含まれている。

 そして川島氏がこの9月に自信を持って発表したのがブルーマウンテンコーヒー。日本の喫茶店でも長らく高級品の代名詞だったが、そのブランド力の強さから拡大生産が続き、逆に氏がジャマイカ在住時の80年代に扱っていた高品質なものが手に入らなくなった。ところが昨年10月に現地の農園主であるシャープ兄弟が東京のセラーを訪れたことから、その味の再現するプロジェクトがスタート。グラン クリュのブルーマウンテン用の特級畑を峻別し、完熟した豆の収穫まで立ち会った。


 「本物のブルーマウンテンを」というコーヒーハンターの熱意は、芳醇な味として見事に結実した。去る9月16日の試飲会で、訪れた珈琲党が持つ従来の「高級品」へのイメージを一変させたことが、それを証明している。

 まさに日本が世界に誇る珈琲文化のひとつの到達点。シャンパンボトルから立ち上る芳香と至福の味をぜひ試していただきたい。

問い合わせ
www.mi-cafeto.com

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