吉野家が全店改装で牛丼戦争はさらに激化へ

 競争が激化し苦戦が続く牛丼業界の雄、吉野家ホールディングスの安部修仁社長が、日経新聞のインタビューで、国内に約1200店の店舗を全店改装していくことなどの方針を明かした。すき家、松屋などの攻勢に防戦一方だった吉野家が、王座奪回に向けて本気になっているようだ。

 このたび発売した280円の「牛鍋丼」。価格もすき家の並盛りと同等で、しかもオーストラリア産牛肉も一部使用するなど、これまでの吉野家では考えられなかった対抗策といってもよいだろう。「正直、価格競争は終わらせたい」(関係者)という本音が透けて見える。

 2社が値下げしてから、さらに客足を奪われ、自然減以上の落ち込みに。牛丼ファンの間では、人気漫画「キン肉マン」の29周年に協力しなかったからだ、という都市伝説も出たほどだった。

 吉野家はもともと、メニューを少なく、店舗のレイアウトも高回転というスペックになっている。ただ、現状は「1店舗あたりの年商が1億円規模に設定」(関係者)という店舗レイアウトが足かせになっている、と指摘されてきたように、ここにも手をつける。

 家族、女性らも取りこんだレイアウトにしたすき家が客層を広げたことも勝因だと、業界では言われる。今回吉野家は改装は、全店舗が対象ということで、創業以来の大改革、ということもできるだろう。勝者が見えない戦いは、新たなステージに移りつつあるようだ。

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