中国不動産が下落すると日本の地価は上昇する

 中国で不動産成金が増えたという報道がなされるたび「これはバブルではないか」との論調が多くみられる。ただし、中国は日本のバブル崩壊を実によく研究しており、日本のバブル形成期とは違って、度重なる抑制策を打ってきたことも確かだ。

 中央政府による銀行融資規制や地方政府による投機的売買を抑える規制を導入するなど、してきた。今年4月には「1年以上にわたる現地の納税証明書、あるいは社会保険支払い証明書を持たない非現地居住民に対する不動産向け融資を一時停止する」措置を発動。これによって非居住者である投資集団の動きは完全に抑制されたとみられている。

 また、この9月には固定資産税の導入を試験的に行う方針を発表。ちなみに中国では土地と建物は政府の所有で、70年間リースされているにすぎないので、固定資産税導入には違和感を覚える向きもあるようだ。

 しかし、八方手を尽くしてもバブル抑制の効果がなければ、中国政府はどうするか?  TS・チャイナ・リサーチの田代尚機代表は「結果が出るまで政策は続くだろう。どうしても不動産投機が収まらないなら、中央政府は市場化そのものをやめるかもしれない。それくらいの厳しさで政策が行われている」と語る。

 ところで最近になって、中国から日本への観光客が増えるとともに、中国資本が日本の不動産を買い漁っているという話が聞かれるようになった。ちなみに中国人のNo.1人気旅行スポットは、中国の海南島と言われる。ただし「海南島は2010年に入り、中央政府から『国際旅行島として発展させる政策』が出たことで人気が急上昇。不動産価格は短期間で急騰し、不動産物件探しを兼ねて富裕層が殺到した」(田代氏)。

 海南島が高すぎるので、旅行者が向かった先が日本。日本までのチケットは東京往復で5~6万円程度。北京からなら海南島に行く時間と変わらない。中国政府が国内不動産への投機規制を強めれば強めるほど、中国資本が日本の不動産へと向かうという理屈だ。

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