人気俳優の座をあっさりと捨てて作家の道を選んだ水嶋ヒロさん(26)。ポプラ社小説大賞も受賞し順風満帆な再スタートを切ったのだが、スマートすぎる立ち居振る舞いだが、これは現代のタレント気質の代表的なものでもあり、芸能関係者も頭を痛めていることでもあるようだ。
「最近の子は昔の人のように、親兄弟に楽をさせてやろうとか、デカイ家を建ててやろうとか、イジメたやつらを見返してやろうという子はあまりいません。逆に映画で○○さんと共演できたからもういいという感じの子は多いです」
ある芸能プロ幹部がいう。例えば水嶋さんの境遇を見ると別に芸能界一本で…などということは言いにくい。
幼少期をスイスで過ごし、中高を桐蔭学園でサッカー部では全国大会にも出場し、慶応大在学時にスカウトされ芸能活動をスタートした。スカウトされなければ、芸能界に入ることもなかっただろう。ルックスも良く事務所も大手だったために売れた、というだけのことかもしれない。
マドンナさんが、故郷デトロイトから35ドルを握りしめNYに上京しウエートレスなどをこなしながらスターになった話。また、AKB48なら、大島優子さんが父子家庭で育ち父に毎日レッスンの送り迎えをしてもらい、人気者になったことで恩返しできた話。今も昔も、そんなストーリーが好まれてきたのも事実だ。
華やかなショービジネスの陰で、日本の芸能界は今でも昔堅気なまま。事務所の社長と言えば親同然だが、歌手綾香さんとの結婚で筋を通さなかったことが事務所の逆鱗に触れたと言われるが、一般社会では成人同士の結婚は自由である。まさに自分に正直に行動する。どこか従来の日本の芸能人にはない感覚を持っているようだ。
先日、ツイッターの中でファンから次のような質問も飛んでいる。「拝見する喋り方というか発言。素でそういう性格なんですか?よく現代をその性格のまま生きてこられたなと感服します」というものだ。
芸能活動が人生のすべてではない、と言えばそれまでだが、若いタレントの価値観は昔とは違うようである。水嶋さんはその代表的な一人なのだろう。