社長の彼女が美人すぎると会社は潰れる

美人とは巨額の固定費


 板倉氏の会社ハイパーネットの事業規模が大きく拡大していく1995年から1996年。付き合う女性が代わった。身長1メートル70の脚のきれいな女性から、ベルサーチが似合うちょっとバブリーな「六本木の女」に変わった。それにつれ、住居も東京郊外の用賀のマンションから、都心部の高級住宅街・白金の一軒家に。車はBMW―M5からフェラ-リF355へと変わったのだった。マスコミが欲しがる『フェラーリを乗り回す白金の邸宅に住む若手起業家』という絵がきれいに出来上がったわけだ。

 「家賃が高いところに住まないと、派手な女性は来てくれないです。派手な女性は一言でいえば、お金目当てです。確かにお金を稼げる男は魅力があって当然だと思いますし、悪いことだとは思わない。でも、そんな女性と付き合うと固定費が相当掛ることを覚悟しないといけません」

 そうした女性の存在そのものが、すべての固定費を上げていくことになるのだという。つまり、すべてをその女性に相応しいものにグレードアップしていかざるを得なくなるという意味だ。

 「車もそうですよ。きらびやかな女性をクラウンに乗せて都内を走るわけにはいかないでしょう。やはり、アストンマーチンとかメルセデスベンツ、あるいはフェラーリとかじゃないと。そうやって、底上げしていってしまうのです。そして、フェラーリに乗ってファミレスに行きますか。普通は西麻布のフレンチへ行きますよね。住むところも当然、品川ナンバーの場所になるでしょう」

 もちろん、それだけの“固定費”を支払えるだけ、本業で稼げばいいのだが…。

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