一発逆転の可能性秘める航空株?

 日本航空(JAL)の希望退職者が想定に届かずに整理解雇を示唆し、かつて問題児だったスカイマークの株価が3倍以上になったり、今年は航空業界がたいへん騒がしい。今後は、スカイマークが国際線参入を計画するなど、市場をウォッチしがいのあるセクターだ。

 スカイマークは運航便数も最低時期の2倍以上、2010年3月期の純利益は26億円で、最終赤字だった2009年3月期から黒転した。保有機をボーイング737に統一するなど徹底した効率化を進めた結果だった。かつては、国交省から業務改善勧告を受けるなどしたが、老舗JALの体力が弱っているだけに、第三の勢力として注目が集めるまでになった。

 一方のJALは、稲盛会長がこれ以上のリストラはしないと明言していたものの、270人の希望退職募集に対して応募があまりに少なく、やはり、出血を覚悟しなければならないようだ。

 この隙にスカイマークは国際線事業にも乗り出す予定で、これが吉と出るか凶と出るかということに市場は注目している。2014年度をめどに国際線を打ち出し、1機約280億円の世界最大の旅客機「A380」を6機購入する予定だという。中小型化を進めている日航、全日空と対極の戦略を取ることになる。

 ただし、実に約1700億円規模の投資が必要で、増資というファイナンスのシナリオが見えてくる。事実これを嫌気して、スカイマーク株は11月9日にはストップ安となっている。

 世界的にも大きいな再編があるとも言われる航空業界。デビッド・テッパー氏、ジム・ロジャーズ氏は航空業界の株式を買い推奨している。スカイマーク株が3倍以上になったように、一発逆転の魅力を秘めている。

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