「20年後にコカ・コーラを倒す」中国大富豪の野望

 中国で発表された「フージワーフ版2010年中国富豪ランキング」で首位になったのは「飲料大王」と呼ばれる宋慶後(そうけいご)・杭州娃哈哈(ワハハ)会長(65)一家で、推定資産は800億元(約1兆円)だった。ランキングの対象者は資産10億元以上で1363人。

 ランキングを主宰したフージワーフ氏は「ワハハの企業規模は今も拡大を続けており、今年の営業利益は100億元(1300億円)を見込む。つまり宗氏は平均して3日で1億元を稼いでいる計算だ。またワハハは世界的食品メーカーダノンとの合弁を2009年に解消。その後、宗氏は同社の株式をダノンから買い取り6割を保有した。この時のワハハ株が巨大な資産となっている」と宋慶後氏の資産が中国トップになった原因を分析する。

 宋慶後氏が創業したのは1980年代末。すでに42歳で、14万元で事務所を借り、2人の退職した教師とともに起業の道を歩み始めた。そしてわずか20年足らずの間に中国最大級の飲料会社を育て上げ、800億元の富を築いた。

 そんな宋慶後氏は20年後、ワハハがコカ・コーラと肩を並べるほどにまでに成長させたいとの野望を抱く。「飲料業は利益率が低いと多くの人はばかにするが、“飲む”という欲求は人類の基本的なもので、永遠になくなることはない」と可能性を示す。また中国の飲料分野はもっとも競争が激しい業界の一つで、過去20年の間にも淘汰が繰り広げられてきたが「今後も高い技術を取り入れ、競合企業や世界的な飲料メーカーと競争をしていけば、本当の意味で世界的な巨大企業に成長できるだろう」と話している。

 ただ20年後には宗氏はすでに80歳過ぎ。その頃には既に経営権は後継者に譲る方針を明言している宋氏。コカ・コーラと肩を並べる企業への成長は、これからの人たちに託した宗氏の夢と言えるかもしれない。

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