米長期金利が上昇すると日本株は上がる?

 17日の東京株式市場は米国株安の地合いを引き継ぎ大幅に下落して前日比103.89円安の9693.21円で寄り付いた。一方で外国為替市場では、円高は一服との観測が広がっており、米長期金利も上昇し、日経平均株価との相関関係が強いことから、日本株には追い風となる可能性がある。

 先週のソウルでのG20以降、米国の量的緩和への各国の批判などから、追加金融緩和観測が後退。米長期金利の上昇でドル安に歯止めがかかっている。主要企業の多くが輸出関連である日本株式にとって、円高が一服するとすれば好材料となる。また、米長期金利と日経平均株価には相関関係が強いことも追い風となりそう。

 日興アセットマネジメントは「最近の米長期金利の上昇の背景には、これまで金融緩和策に対する期待によって債券が買われすぎていた反動が出ているほか、10月の雇用統計をはじめ、足下で発表された経済指標が改善傾向を示し、米国景気に対する過度な悲観論が後退していることもあるとみられる」と分析している。

 また「1996年以降の日経平均株価と米国10年国債利回りの動きを振り返ると、両者には関連性がみられる」(日興アセットマネジメント)。すなわち、米国10年債利回りが上昇すると、日経平均株価も上昇するという相関が確認されるということだ。

 米国景気への悲観論の後退は世界景気にも好影響を与え、加えて、主要企業の多くが輸出関連である日本株式にとってもプラス材料と考えられる。「米国の長期金利上昇→円高懸念後退→日本株式上昇」の好循環が始まるかもしれない。

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