ビジネスジェット枠を羽田、成田で1万回確保へ

 東京都は18日、「首都圏におけるビジネス空港の受け入れ体制強化に向けた取り組み方針」を公表した。

 羽田、成田2空港の発着回数の増加に加えて、米軍横田基地にビジネス機の発着枠を確保することで、アジアのトップレベルとなる年間1万回(1日28回)の発着回数を目指すとしている(アジアトップの香港国際空港は09年で約4200回)。羽田と成田を合わせた08年の発着回数は約2700回で、ニューヨークの約51万回やロンドンの約15万回に大きく見劣りする。

 日本のビジネスジェット市場は欧米に大きく後れを取り、今後の市場拡大が期待されている。販売を手掛ける大手商社の航空機事業担当者によれば、「日本の場合はまだほとんどが企業による所有だが、近年、年に数機は個人が購入するケースも見られる」とのこと。欧米ではすでに必要不可欠なビジネスツールで、エグゼクティブに様々なメリットをもたらしている。メリットとしては、以下のような点が挙げられる。

テロやハイジャックに遭遇する危険性がない
機内での出入国審査により、空港到着後速やかに移動
エアラインが就航していない地方空港から、自由自在にフライトプランを設定
わずらわしい乗り換えや時間調整をする必要がなく、予定変更に柔軟に対応

 大手商社ではさまざまな機種のビジネスジェットを販売しているが、人気が高いのはボンバルディア社の「グローバルエクスプレスXRS」。客室内の広さや豪華さだけではなく、飛行速度、航続距離、快適性などを含めて総合的な完成度が高い。また、巡航速度マッハ0.85で1万1390㎞の飛行性能は、このクラスのどのビジネスジェットよりも長距離を高速飛行できるものだ。

 ちなみに価格は内装次第だが、参考価格は5500万ドル(約45億円)。利用しない期間は第三者へチャーター機として貸し出して運用し、その収入により所有のネックとなる間接費用を削減できる。

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