「進駐軍」と呼ばれるパナソニック

テスラ出資も理由は「意地」

 ブランドについて、パナとパナ電工はすでに、「Panasonic」に統一しているが、「SANYO」ブランドは、2012年4月をめどに原則廃止する。これに対する反発も少なくない。グローバルでみると、SANYOブランドが強い地域もあり、パナ社員の中にも、SANYO廃止に反対する声がある。

 グループの融和が心配になる理由はほかにもある。11月、パナが米国の電気自動車(EV)ベンチャー、テスラ・モーターズ(カリフォルニア州)に出資したとき、「三洋に対して、親会社としての意地を見せたかったのでは」(パナ電工30代社員)という声も出た。充電池では、三洋がパナよりも圧倒的に先行しているからだ。

 三洋は、EV専用の電池を開発、自動車メーカーに供給している。テスラは、パソコンなどに使われる汎用充電池を数千個使うことに特徴がある。「親子で違う分野を補完するから、全方位戦略として成功」(証券関係者)というのが正しい見方のはずが、グループ内では「親子の確執」とみられている。

 3社の融合に向けては、課題が少なくないことがわかる。ライバルである韓国勢に勝てるだけの統合効果を生むには、かなりの努力が必要そうだ。

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