富裕層が急増する「中国」「インド」「インドネシア」

 世界の富は2015年までに、今より6割強も増加する。クレディ・スイスは「グローバル・ウェルス・レポート」の中で、「世界の成人44億人が所有する富は2000年比で72%増加し、195兆ドルに達した。新興国の堅調な経済拡大にけん引され、世界の富は今後2015年までにさらに61%増加し、315兆ドルに達する」と推定した。特に伸びが目覚ましいのは、中国、インド、インドネシアなど、アジアの新興国だ。

 世界の富裕層を最上層のビリオネア(成人一人あたりの富が10億ドル超)、超富裕層(同5000万ドル超)、富裕層(同100万~5000万ドル)の3段階に分けると、アジアの富の伸長が著しいことがわかる。

 まずビリオネアは世界全体に1000人超いるが、うち500人が北アメリカ、245人がアジア、230人がヨーロッパに存在する。その下の超富裕層は世界で8万人、富裕層は同2400万人存在。この富裕層が未だ新興国のはずの中国に80万人強、約17万人がインド、400万人超がその他アジア域内にいる。

 中国の家計の富の総額は16.5兆ドルで、米国(54.6兆ドル)、日本(21兆ドル)に次いで世界第3位。この成長トレンドが続けば、中国の家計の富は今後2015年までに111%増加して35兆ドルに達し、日本を抜いて世界2位になり得ると推測している。

 他のアジア諸国でも富は増加しており、特に顕著なのがインドとインドネシア。インドの富の総額は過去10年間で3倍増加して3.5兆ドルに達し、インドネシアでは5倍増加して1.8兆ドルに達している。現在のトレンドに基づくと、2015年までにインドの富はほぼ2倍増加して6.4兆ドルに達し、インドネシアも同じく飛躍的に伸びて3兆ドルを超える可能性がある。

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