インドで独身女性は携帯電話所持を禁止の条例

 インドは結婚に関して法律を超えた? 様々な取り決めがあり事情は複雑なようだが、このたび、ある市町村で独身女性に携帯電話の所持を禁止する条例ができたのだという。

 インド電気通信管理局(TRAI)のデータによると、2009年12月末の携帯電話の総加入件数が5億604万件に達したという。普及率は約45%となり、まだまだ普及が見込まれる市場だ。

 そうした現代の世の中の事情から逆行するかのような条例が、一部の市町村でできた。英高級紙ガーディアンによると、インド北部の「Lank village(ランク村)」では、ヒンズー文化を持つ保守的な地区でもあり、同一族の結婚は禁止されており、この習わしに従わないカップルは罰を受けるために、駆け落ちが増えていることが背景にあるのだという。ちなみに10月だけで34組が駆け落ちしたそうだ。

 こうして駆け落ちをいとも簡単に許す背景には、携帯電話でお互いが連絡が取りやすくなったことにある。そこで連絡手段を絶ってやろうというのが、この条例の目的となる。

 ただし、男性の所有が認められているにも関わらず、女性は携帯禁止という不平等なルールとなっており、内外から大きな反発が起きているのだという。

 まだ、インドの地方によってはほとんどが親に結婚相手を決められて、そのまま結婚するというケースもある。しかし、現代は通信手段が古い習わしとの衝突を起こしている時期でもあり、権利意識も向上する中で、今後はどう習わしと折り合いをつけていくのだろうか。急速な経済発展は、難しいテーマを突き付ける。

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