来春以降、中国の不動産価格20%下落予測

 ここ数年来、急激に上昇し続けた中国の不動産価格だが、このほど発表された中国人民大学経済研究所の研究報告によると、政府の不動産政策などで企業の資金繰りが悪化し、来年上半期は現在より20%下降すると見られている。

 報告書によると、今年12月初めより不動産企業は開発ブームで膨らんだ資金の返済を迫られている。加えて、政府の政策で貸付条件が厳しくなったことや不動産販売の低迷で、資金繰りが急速に悪化すると予測されている。

 もし不動産価格が暴落すれば、中国経済に深刻な悪影響を与える恐れがある。これに対し中国人民大学経済学院副院長の劉元春(りゅう げんしゅうん)氏は「来春以降、調整局面に入るだけで、価格が崩壊することはない」とする。また「30%以上価格が下落する可能性は低い」とした上で「不動産市場は十分軟着陸できる」との見方を示した。

 だが、一方で中国の不動産市場は崩壊に向かうという声も。著名な経済学者である謝国忠(しゃ こくちゅう)氏は、中国の不動産市場は今後少なくとも5年間は下落が続き、平均価格は半分以上下落するとみている。特に不動産バブルが深刻な浙江省では、下落幅は80%以上となる可能性を指摘する。

 中国の不動産価格が今後下落に向かっていった場合に、果たして軟着陸できるか否か。政府の早急な対応が必要といえそうだ。

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