フレンチは「ジョエル・ロブション」か「シェ松尾」以外食べない男
-せっかくの豪華な食事も、間違った薀蓄で台無しですね。
「知ったかぶりは嫌ですね。特に美食家の両親のお陰で私は食に関して特別な思い入れがあるので、知ったかぶりで色々言われたり、料理を作ってくださった人に対して愛情がない発言をする人が嫌です。料理を作る時に愛情を込めることの大切さを、私は両親に教えられて育ちました。
あとは決め付ける男性も嫌ですね。例えば、『北京料理だったら北京ダック、ロシア料理だったらキャビア頼まないと一流じゃない』とか。そんなことないのに。『ロシア料理』って言っただけで、『そんなにキャビアが食べたいのか!?』とか言われるんです。おかしいでしょう?
他には、『俺はフレンチはロブションかシェ松尾以外は食べない』と言う人とか、ミシュランの星がついた店しか行かない人で『その店、星ついてんの? 君知ってるの? おいしいお店』とバカにしてくる人とか。意外と多いです。」
―「ロブションじゃなきゃヤダ」のような発言をする人は、年齢的には傾向はありますか? 年配層に多いとか。
「年代的なこともよりも、心に余裕があるかないかだと私は思います。星がついていないと駄目などと、凝り固まった考え方は良くないですよね。もっと柔軟性を持っていただきたいです。」
―片岡さんご自身は、レストランの評価や値段、ジャンルをどの程度気にしますか?
「ミシュランガイドやザガットサーベイ等は読んでいて面白いですし、美味しいものを探す上での参考にはしていますが、もちろん星のありなしではなく、私はジャンル問わずで、食が大好きです。最近はまっているのが、大山地鶏の焼き鳥のお店で、一串100円という破格な安さで、味わいは驚く程優しくて凄く美味しい。先日も3日間連続で行きました。そういうお店も好きだし、ロブションみたいなところも好き。でも高いお店には自分ではそう行けないから、家族で行ったりすることが多いです。やはり、コストパフォーマンスが高いところがいいですね。」
女性の意見を聞かないで勝手にメニューを決めてしまう
―富裕層男性の自慢話、知ったかぶり、決め付け、などがデートで一番女性は嫌なのですね。
「知ったかぶりエピソードでは、『本場イタリアでは』という台詞をよく聞きます(笑)。『本場イタリアのレストランではペペロンチーノを嫌になる程食べた』。私は友達がイタリアに住んでいて、イタリアの話は良く聞くので、普通ペペロンチーノはあまりイタリアのレストランでは出ないということを聞いたことがありますが、その場では合わせます。野菜から出汁をとった美味しいスープなのに、『この鶏がらスープは鶏が凄いんだ』って言い張ったり。『シェフを呼んでくれ、この鶏を見せてもらいたい』とか。で、シェフに『何の鶏?』って聞くから、シェフも困っちゃって。」
―「シェフを呼んでくれ」というセリフはよく出てくるのですか?
「よく、では無いですが、たまにシェフを呼ぶ人はいますね。焼き鳥屋さんに行った時、カウンターに置いてあるレバーを見て、『シェフ、この部位はどこかな?』って、聞いている人がいました。明らかにレバーなのに、わからないみたいで。で、聞いて食べた後も『え? これレバー?』ってピンときてませんでした(笑)。でも、日々、発見して感動するのが好きな私にはカワイイと思えたりもします。
全般的に自分本位の人が多いかもしれないですね。誰も周りに注意してくれる人がいないから、偉そうに決め付けで物を言ってしまうのでしょうか。あとは、話をふっておいて、人の話を聞かなかったりとか。自分の言うことを聞くのが当たり前、というような会話の持っていき方も、相手の立場を否定しているようなので悲しいですね。例えば、レストランに来ても、『この店知ってるから、大丈夫だから』とか言って、女性の意見を聞かないでメニューを勝手に決めてしまう。人の意見に耳を傾けない。好き嫌いとかアレルギーとかあったりするでしょう? 相手のことを考えて欲しいですね。」