スケールダウンしたNASAの会見

 NASA(米航空宇宙局)などの研究班は現地時間の2日会見し、米カリフォルニア州の塩湖・モノ湖から、リンの代わりに有毒なヒ素を使って生命活動を維持する細菌を発見したと発表した。地球外生命探索に大きな影響を与えるとするが、発表予告からすると、スケールダウンしたとの印象はぬぐえない。発表の目的は何だったのか?

 宇宙人を発見したのではないか、との思惑を抱く人も多かったのではないか。地球外生命体探索に影響を与える発見ということだった。

 そして、今回発見されたの微生物はリンがない環境で、生物にとっては猛毒であるヒ素を代替物質として生息することができる細菌「GFAJ1」の存在。しかし、サイエンスとは関係のない世界に生きる人にとっては、まったくインパクトはない。

 米国メディアなどの報道を基に推察できることは、日本の「はやぶさ」が、世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った。また、ロシア、中国、インドなども独自の宇宙技術開発に躍起で、ここのところのNASAは少し存在感が薄い。

 つまり、そのためのアピールだったという見方ができる。それで、一般の人にはインパクトが弱い発表となった。逆にはやぶさの成果は、誰にでもわかりやすいものに見える。


発見された「GFAJ1」(出典:NASA)

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