息を吹き返したロシアの大富豪のやりたい放題

平均年齢46歳、血気溢れる大富豪


浜田和幸氏
 2010年の富豪ランキング1位は鉄鋼王のウラジミール・リシン氏(資産188億ドル)、2位はニッケル王のミハエル・プロホロフ氏(同178億ドル)、3位は石油王のロマン・アブラモビッチ氏(同170億ドル)。傘下企業の一時操業停止にまで追い込まれたアルミ王のオレグ・デリパスカ氏も、国営銀行から45億ドルもの緊急融資を受けて立ち直り、資産額138億ドルで6位に踏みとどまった。

 ロシアの経済動向に詳しい浜田和幸参議院議員は「ロシアの富豪たちに才覚があることはもちろんだが、ほとんどが利権とコネを上手く活用した『政商』。さらに、ロシアの大富豪の特徴は、みんな年齢が若いこと。富豪ランキング1位のリシン氏は54歳、2位プロホロフ氏は45歳、3位アブラモビッチ氏は44歳。6位デリパスカ氏に至ってはまだ若干42歳だ。40~50代の富豪が多く、ビリオネアの平均年齢は46歳で、これは『フォーブス』の世界富豪ランキング100位の平均より、15歳以上も若い」と語る。

 実際のところ、彼らは「政商」と呼ばれるにふさわしい。政権が危機対策でこれらの財閥に投じた資金は7兆8000億ルーブル(約20兆円)といわれる。

 「プーチンはロシアを世界に冠たる大国にするために、2020年までの国家戦略をきっちりと練り上げている。また、政府と企業の協力関係が、経済危機で混沌とした中でもうまく機能した。今後も戦略に歯向かわない財閥を大事にするだろう」(浜田氏)。プーチン首相に従順である限り、彼らの地位は安泰だ。

1 2
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる