「2012年問題」は「吉」とでるか「凶」とでるか

 今から3年前、60歳となる「団塊世代」の大量定年退職をめぐる「2007年問題」が話題となった。しかし、多くの企業で60歳定年後の継続雇用が進んだことなどもあり、大きな問題は生じなかった。ただし、それも年金の支給開始年齢を目安にすると、最長でも65歳まで。つまり問題は5年間先送りされたにすぎず、今後は「2012年問題」が大きな注目を集めそうだ。

 「団塊世代」の定義にもいろいろとあるが、たとえば61~63歳(1947~1949年生まれ)を合計しただけでも、その人口は約664万人。これは日本で人口第6位の、千葉県の総人口の約614万人を超える。まさに大きな塊を形成しており、すべての人が同じ年に退職するわけではないにしろ、日本の雇用や消費に大きな影響を及ぼすことは間違いない。

 課題として労働力の急激な減少や、企業内の技術・ノウハウの承継が断絶することなどが指摘されている。一方で、それは巨大な塊が「おカネ」と「時間」の両方を同時に手にすることをも意味する。それが「吉」とでるか「凶」とでるか、いずれにしろ団塊世代は大きな影響力をもつ。

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