親子で学ぼう、11年度中学入試の時事問題

家庭環境と親子の会話が大切


 中学入試において「時事問題」の比重が年々増している。日能研教務部の調べによると、社会の問題の中で時事問題の知識そのものを問うものが2割、時事に絡めて歴史や地理等の社会科の知識を問う問題を含めると5割以上に達するという。また、都内の私立中高一貫校で時事問題を出題する学校は、今や全体の8割を超える。しかし、日々、世界で起きる広範な出来事のすべてを、学校や塾で教えるわけにはいかない。時事問題の習得には、家庭環境と親子の会話の役割が重要とされるゆえんだ。

 時事問題そのものの知識とは、首相交代をテーマに首相の名前を問うような問題。また、時事を切り口として社会の他の知識を問うというのは、たとえば平城遷都1300年をテーマに奈良時代の歴史を問うような問題が典型的。

 最近の主流は、時事問題を枕にする後者のパターン。時事問題を付け焼刃に詰め込んだだけでは、容易に解答には至らない。「リアルな現実の社会と、教科書で学んだ知識をつなげる力が求められる」(日能研)。家庭環境でいえば、そもそも親がニュースも見ないようでは、時事問題に関する家庭での会話が成立しない。

 ちなみに2010年度入試で多かったテーマは、選挙の年だったこともあり「衆議院議員選挙」が筑波大付属中など、「鳩山内閣」が慶応中等部など多数の中学入試で出題された。他には「プラハ演説と核兵器」「裁判員制度」「不況と労働問題」など。中には「定額給付金」「冤罪」「新疆ウイグル自治区」など、大人も少し頭を抱えそうなテーマが並ぶ。

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