親子で学ぼう、11年度中学入試の時事問題

こんな会話が実は時事問題対策に

 親子で学ぶためには、そもそも親がその事象を理解していることが必要。では実際、どんな会話が時事問題の勉強の役に立つのだろうか? 2つの事例を挙げてみよう。

Aさんの家庭の団らん風景:

TVニュース:たとえば「栗きんとん」は、栗の加工法の1つである「かちぐり」という言葉が「勝つ」に通じること、その金色が「財宝」の色であること、さらに貴重品である砂糖をたくさん使っていることなどが、お正月のごちそうにふさわしいとされました。
母:最近は砂糖の価格が上がっているわね。
娘:今年はビートが不作だからって聞いたことがあるわ。
母:でもそれだけじゃないの。実は環境問題とも関係があるのよ。
娘:砂糖と環境問題との関係って?
母:それは原料の一つのサトウキビが、アルコール燃料としても利用されるようになったからなのよ。

 何気ない会話だが、この砂糖価格上昇とアルコール燃料との関係は、2010年度の桜蔭中学校の時事問題で出題された。

B君の家庭の団らん風景

TVニュース: 自民党はこれまでの政権運営の実績を強調し、景気の回復を最優先に掲げて、「責任力」を主張しました。
息子:エコポイント制度も景気を回復させる政策の一つだね。
父:エコポイント制度は地球温暖化対策にも貢献する。でももう一つ、重要な目的があるのさ。
息子:もう一つって何だろう?
父:来年7月にアナログ放送が終了するだろ。だから、地上デジタル放送対応テレビの普及をはかるためさ。

 こちらのエコポイント制度と地上デジタル放送対応との関係は、2010年度の早稲田中学の入試問題として出題された。このように何気ない家庭での日常会話が、子供にちょっとした発想の転換をもたらし、時事問題の解答練習そのものとなっている。

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