AKBの大賞受賞は利害調整ができなかった?
もちろん審査基準はセールスだけではない。選考規定では楽曲の良さ、優れた歌唱力、さらには大衆に支持され時代を反映したもの、などを総合的に判断するという。こう言うと、何か難しい判断が要求されそうだが、実際には審査は形式上のものでしかない。実情は次のとおりだ。
「上の方から鶴の一声が来ますが、審査員(一般紙記者、スポーツ紙記者ら)は、みんなその空気を読んで決定します。それまでには色々な思惑が絡んで水面下で調整がなされるのですが…」(音楽業界関係者)
だが、AKBはメンバー個々の所属事務所が違うために「利害関係で調整がつかなかった」(業界関係者)と見る向きが多い。さらに「上の方」との関係が、まだ構築されていないとも言われる。あとは、歌がうまいかどうかで言えば、素人目に見ても、うまくはない。
AKBはもちろん「AKB商法」と呼ばれる批判的な手法を用いていることも事実だが、最新作Beginerは売り上げ100万枚を突破。実に3年2カ月ぶりのミリオンヒットは大きな功績だ。初回限定版が2500円なので、単純計算で25億円の売り上げになる。ちなみに、EXILEは20万枚程度で、比べるべくもない。
とにかくいずれにせよ、レコ大人事は難産の末に決着がついたようだ。
今年もまたレコ大不要論が出てきそう。だが、業界のある若手関係者からは「もう、こういう時代に、レコ大自体に利権なんて存在するのでしょうか」とまで言い切る声まで出ている。
ヒットを喜べない業界。内部では完全にシラけている。
AKB48「beginner」