将来は1兆円市場? クーポン共同購入サイト

ユーザーによる淘汰がすでに行われている


米グルーポン本社
 急速に伸びている市場とは言え、まだ知らない人のためにまず、仕組みを端的に説明しておく。

 サイト運営者が営業してクーポン販売可能な店舗を探し出して掲載。サイト上で販売から決済まで行い、サイト運営者は成約手数料を取り、店舗側は残りの金額を受け取る。クーポンを購入した消費者は店舗で割引サービスを受ける。

 都内の自称ヘビーユーザー(30代、男性)は「新しい店を開拓したい時にクーポンサイトをよく利用していましたね。また、落札するかできないかゲーム感覚で楽しめる部分もあって、ハマりました」という。

 共同購入サイトという以上、一定数の購入者がいないと購入できないというルール。しかも定められた時間内に。利用者にとってはスリルを楽しむことができ、そして「合コンや飲み会などに使う店を探すのは便利です」と前出のユーザー。

 店舗にとっては新規のリピーター候補を自力で掘り起こす必要はなく、クーポンサイトに成約手数料を支払うだけでそれができるのだ。

 20兆円市場と言われる外食産業も、1997年の29兆円(外食産業総合調査研究センター調べ)をピークに下げ止まらない。消費が低迷する時代に、こうした良いサイクルが出来つつあることは歓迎することだろう。市場規模20兆円の外食産業が現在は中心。この1%が動くだけで2000億円。他には、美容・コスメをはじめ、様々な産業への波及が考えられるため「1兆円以上も」(関係者)という声が早くも聞こえてくる。

 しかし、すでに、人が集まらずに閉鎖したサイトも存在する。早くも取捨選択は始まっているのだ。

 では、サイト側からは、この業界はどう見えているのだろうか。

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