幸せと金儲けは両立できるか?【2】中途半端に頭いいのはダメ

価値観の違う人とどう付き合う?

天野氏

 価値観が違うとそこから新しいものが生まれてくるし、面白いじゃないですか。無理に折り合いをつけなくてもいいと思いますよ。自分と真逆な人とは、残念ながら仕事でコラボをしたことはないのですが、たまにそういうタイプをお見かけすると、その人の考え方の中にも真理があるし、理由があってその考えに至っているのであって、そこから学ぶべきことも多いと思います。違うから面白いわけで、みんな同じだったらつまらないんじゃないですか。

久米氏

 僕もサラリーマンを経験しているので、自分の意志では選択できない環境がたくさんあることは承知しています。会社組織での付き合いは“2・6・2”。2割はあうんの呼吸で動ける人、6割はどっちでもいい人、2割はなにをやっても動かずに文句を言っている人で構成されている。世の中はそういうものだと思っていれば、あまり葛藤はないですよ。

 新しい仕事ほど理解を得られないのが普通です。『ロジャーズの普及理論』では、新しいことを始めるとき、最初は少数の変わり者しかやらないことが多く、これは冒険的な先駆的採用者と言われる人たちです。多くの人が理解してくれないということは、逆にこれはチャンスじゃないかという考え方もできます。逆にルーチンにして動かさなくちゃいけない仕事は、いろんな人がパッと見たときに万人が納得できるものじゃなければいけない。TPOに分けて考えれば、葛藤は起きないものです。

 チームで合目的に何かをこなさなくちゃいけない時は、気の合う人や性格のいい人だけではできないので、組合せでどう動かしていくかをまず考えます。ただし、これから一緒にずっと仕事を進めていかなくてはいけない人にはやはり条件があって、この場合はきちんと人を選びますね。僕は会った人にまず「夢はありますか?」と聞きます。10年後何をやっていますかと聞かれて、明確に答えられる人ってとても少ないんです。夢があると言われて、その内容を聞いて面白いものだったら、大体その人とは長く付き合えるかなと。そういう人なら志向性が違っていても、一緒に同じゴールを目指せると思います。

天野氏

 そうすると僕は失格かもしれません。10年後にどんなことをやっているか皆目わからない。基本的にあまり目標も計画も立てないんです。そもそも計画とは過去の自分が立てたものですし、日々進化しているのに、なぜ10年後のことがわかるんだ?と思ってしまう。過去の自分に縛られたくないという気持ちがあるんですよ。

久米氏

 夢というと話が大げさですが、僕が知りたいのは、『話し出したら止まらないことがある幸せ』があるかどうかということ。そういうものがある人に共感を覚えますね。たとえそれがコケであろうと、ニホンミツバチであろうと、坂道であろうと、なんでも構わないんです。一番困るのが、愛想がよかったり、中途半端に頭がよかったりする人ですね。話は合わせてくれるけど、結局なにが言いたいのかわからない、そういうタイプは苦手です。

天野氏

 中途半端に頭がいい人は批判や出来ない理由ばかり言うし、欠点ばかり見つける、確かに困りますね~。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる