モノ言う株主、米投資ファンドのスティール・パートナーズは保有するサッポロホールディングス株をすべて売却したことが16日、関東財務局に提出した大量保有報告書でわかった。
スティールは直近の保有比率が7.73%からほぼゼロになった。今回売却したのは、計3045万株で、総額約110億円とみられる。これで、サッポロの筆頭株主は日本生命となった。
2004年から保有を開始し、プロキシーファイト(委任状争奪戦)を毎年のように繰り広げてきたが株主の賛同を得ることはできないまま。
さらに、リーマンショック後は投資ファンドは新規の投資資金が入りにくくなったという環境もあったのか、日本撤退論も報道されるまでになっていた。サッポロ株に関しては、秋から断続的に売却を繰り返していた。
2003年12月に、ソトーと繰り広げた激しいTOB合戦も今や昔話。モノ言う株主は日本にはもう必要ない、とスティールは悟ったのか。