レアアースが無いともう生きていけません

 中国が関税引き上げを発表したレアアース製品は、「ネオジムメタル」「塩化ランタン」「レアアース元素を10%以上含む鉄合金」の3品目であることが明らかとなった。大畠章宏経済産業相が、17日の閣議後の記者会見で語った。これらの関税は現在の15~20%から25%に引き上げられる。

 ところで、これらの価格が上昇すると、どんな分野に影響が出るのか? 「ネオジウムメタル」と「塩化ランタン」は、セラミックコンデンサの生産に欠かせない。と言われても、普通の人はそれが何に使われているのかわからないが、実は身近な製品に大量に使用されている。それは携帯電話だ。

 もはや生活必需品となった携帯電話1台には、約300個のセラミックコンデンサが使われているという。しかも携帯電話の小型化と高機能化にともなって、年々その使用料は増加。カラー画面でネット接続は当たり前、高機能のカメラ付きで、動画やテレビ電話さえ使えるようになった。しかし、これはすべてセラミックコンデンサがあってこその話だ。

 また、パソコンに使われているコンデンサは、1台平均ざっと650個。まさにコンデンサの塊と言ってもよい。さらに、ゲーム機、携帯音楽プレーヤー、プリンタやスキャナにも、想像以上にセラミックコンデンサが使われている。

 さらには、クルマ、冷蔵庫、テレビ、エアコン、掃除機、洗濯機……と、挙げるときりがない。これもすでに必需品に近い液晶テレビに至っては、1台で約1000個のセラミックコンデンサが使われるという。仮にレアアースの供給が完全に途絶えると、身近な生活必需品がほぼ姿を消してしまうだろう。

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