「売り切れ」「予約待ち」の中国の高級車市場

生産が追い付かず納品できず


ベントレー
 今年、中国の売り上げは1000台を超えた、納品数は800台だったが、来年は1000台を突破するだろう、と英国の高級車ブランド、ベントレーの中国担当者は話す。現在、注文した客の納品は早くても来年8月になるという。

 売れているのはベントレーだけではない。ロールスロイスも3カ月待ち。ポルシェ・カイエンは2012年まで予約が入り、ベンツS600もはや予約受付を停止した。中国市場における高級車の過熱ぶりは、企業や専門家の予測をはるかに超えるものだ。

 ベントレーは中国の高級車市場最大のブランド。去年、ベントレーの中国総経理は「2014年には1000台以上、5年以内の総売り上げ4000台を見込む」と控え目な予測をしていた。

 ところが、最新のベントレーの統計では今年の売り上げは既に1000台を突破し、生産が追いつかなかったため、800台の納品に留まってしまった。このままのペースでいけば来年も1000台を超え、去年の目標はたった3年で達成できることになる。

 中国はベントレーにとってイギリスを超え、アメリカに次ぐ大市場に。ロールスロイスも2010年10カ月間の売り上げは500台(香港地区も含む)に上り、2005年売り上げの100台の5倍になった。中国市場への進出が最も遅かったランボルギーニでさえ、今年前3四半期の売り上げは178台で、中国は世界2大市場の一つになった。

 超高級車ブランドだけでなく、ポルシェやベンツ、アウディといった聞きなれた名前のブランドも少し前までは中国市場が他の地域を超えるとは考えられなかった。だが、今年前3四半期の統計によると、ポルシェは12万台、アウディは16万台、ベンツは10万台を売り上げ、既に今年の目標を達成してしまった。

 中国高級車市場の過熱ぶりは周知の事実だが、どうして今年さらに拍車がかかったのか?

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