「売り切れ」「予約待ち」の中国の高級車市場

増税と金融危機の影響がなくなった

 1つは2008年9月に実施された増税の影響でそれ以降、消費者が購入を控えていた事が上げられる。排出量4リトル以上の消費税が20%上昇したのだ。また、金融危機の影響も重なり、あるネット調査によると2009年は75%の消費者が車を買う予算を縮小すると応えていた。

 ある高級車販売の担当者は「金融危機当時、車を買いたい富豪はもとの車と同じ形のものにしていました。こうすれば、他の人に車を買い換えたことがばれないからです。彼らは、金融危機の下で高級車を買い、従業員の不満を引き起こすことを恐れていたのです」と打ち明ける。

 今年に入って中国経済は急速に回復し人々の手元に財源が戻ったため、高級車市場も一気に過熱したというわけだ。

 だが、金融危機以降、高級車企業は多かれ少なかれ減産をしている上に、市場の集中している欧米の経済回復は中国に比べてゆっくりであったため、早期に回復した中国においては“予約待ち”の嵐という状況になってしまったのだ。

 企業にとって、最大の問題は中国市場が十分に大きくないことではなく、いかに生産能力を上げるかに変わった。ポルシェやアウディ、ベンツは既に生産拡大計画を発表している。「高級車が売り切れという状況は、チャンスでもあり危機でもある」と業界関係者は企業の動きをこう評している。

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