BRICsの次を狙うCIVETSの追い上げ

 米系投資銀行の雄「ゴールドマン・サックス」が、広く世に知らしめたBRICs。その向こうを張ったのが、世界最大級の英系金融グループである「HSBC」が唱える、「CIVENTS」なる造語だ。果たしてBRICsに次ぐ世界の成長センターとなりうるのか。先進国はますます安閑としてはいられない。

 「CIVENTS」はコロンビア(Colombia)、インドネシア(Indonesia)、ベトナム(Vietnam)、エジプト(Egypt)、トルコ(Turkey)、南アフリカ(South Africa)の頭文字。ちなみにCivetはアフリカやアジアの熱帯地域に生息する、マングースに近い哺乳類。かつては香水の材料として乱獲され、シャネルの5番にも使われていた媚薬の原料だ。

 これはBRICsにも言えることだが、まず人口が多く、市場の拡大余地が大きい。そして、この6カ国に関しては特に若者の人口が多く、人口が増えており、潜在的な中間層が存在する。2030年には12億人まで膨らむとも予想される厚い中間層だ。

 そして再び「ゴールドマン・サックス」。ポストBRICsとして、「NEXT11」なるものを打ち出した。ただし、これにはポストBRICsの最右翼とされる南アフリカが含まれていない一方、バングラデシュやパキスタンなどの最貧国が含まれていることから、あまり賛同を得られなかったという経緯がある。

 少なくとも雁行型成長などと言いつつ日本が優越感を感じていたのは、すでにはるか昔の話。順位がめまぐるしく入れ替わり、いつ番狂わせが起こるか分からない、先の読めない混沌としたレースが始まっている。

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