現役医師と服飾大学のコラボ企画、白衣のファッションショー開催

業界の度肝を抜いた学生白衣！

　ダンスショーが終わると、いよいよ注目の学生デザインの白衣が登場した。服飾大学で学ぶ学生だけあり、どの作品もモデルのボディを美しく見せることを重視し、通常の白衣ではおろそかにされがちな、微妙なカッティングやラインにこだわりが感じられた。また、ビビッドなカラーをとり入れたり、襟や裾に凝ったり、聴診器を留めるスナップをつけたりなど、ちょっとした遊び心は入院患者の心をなごませると同時に、着る人の心をも楽しませようという意図もうかがえる。

　見たところ、メーカーが作ったものとそれほど大きな違いは感じられなかったが、言いかえれば学生デザインの白衣を病院で着ていても、さほどの違和感はない、という印象を受けた。しかし、白衣業界の人がみると、学生がデザインしたものはビックリ仰天、とのこと。そこで玄人である白衣メーカーの方にお話しを聞いてみた。

　「なによりも色使いに驚きました。われわれの感覚からすると、白衣は白か薄い色、というのが常識なんです。これは汚れが目立つという衛生的観点からと同時に、患者さんの心を興奮させない、といった心理面も狙ってのことなのですが、今はそれも変わってきたのかもしれません。ドラマ『医龍』で黒い白衣が出たときは、業界に激震が走ったのですが･･･今日は本当に参考になりました」

　学生のデザインは、保守的と思われる日本の白衣業界に一石を投じたといえるだろう。