「ナイキ」「マック」にみる海外ブランドの強さ

 生活者が消費財を消費する段階では、当然ながら〝日本産〟の比率が高い。事実、製品供給全体における輸入の占める割合をみると、消費財全体で輸入品は17.6%にとどまる(2010年8月時点)。しかし、これを広告の観点からみると、海外ブランドの強さが浮き上がる。主要企業における海外ブランドのCMをみると、業種によっては海外ブランドが日本ブランドを圧倒している。スポーツ用品における「ナイキ」、外食における「マクドナルド」がその象徴的存在だ。

 野村総合研究所サービス事業コンサルティング部の前川佳輝主任コンサルタントが、海外ブランドをマーケティングの観点から分析した。たとえば「乗用車」の広告における海外ブランドのシェアは9.2%であり、乗用車新車販売台数における輸入車のシェア6.2%よりやや高い。製造業の他の業種においては、「日用品(衛生医薬品、家庭用品等)」においてこの傾向がみられる。

 さらに顕著なのが、「スポーツ用品」と「外食」。「ナイキ」と「マクドナルド」という強力なトップ企業の存在が、海外ブランドのシェアを高めている。また、「金融」では保険分野で海外ブランドの存在感が大きく、「映像音楽コンテンツ」も海外ブランドが強い。音楽では日本ブランドも健闘しているが、映像コンテンツでは「パラマウント」「ワーナー」「ディズニー」によるテレビCMが多かった。

 同社は「海外ブランドの広告投入量が多い業種は。マーケティングにおけるプロモーションの重要性が高く、激しい競争がある業界と言える。しかし逆に考えれば、これらの業種の企業が海外にも進出しやすいことを意味している」と分析している。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる