中国、来年も利上げの可能性大

 中国人民銀行は12月25日、政策金利の0.25%引き上げを発表した。2年10か月ぶりに利上げした10月以来、今年2回目の対応。中国は今後も消費者物価や資産価格、貸し出し等の動向を注視しつつ、追加利上げの可能性を探るとみられる。

 物価の状況をみると、11月の消費者物価指数は前年比で5.1%上昇、また、同生産者物価指数も同6.1%上昇と、いずれも10月から加速している。大和住銀投信投資顧問は「利上げは中国人民銀行が、インフレへの警戒姿勢を強めていることを示したもの。今後は主に預金準備率で政策対応を行いながら、追加利上げの方向を検討していくと考えられる」としている。

 また、国際投信投資顧問も、「物価上昇の続く来年前半にかけ、追加利上げおよび緩やかな通貨切り上げの可能性がある」と予想。ただし、「政府目標の年間8%の成長目標を達成するため、貸出規制等と組み合わせた慎重な調整になると思われ、景気腰折れリスクにはつながらない」とみている。

 さらに大和証券投資信託委託も、「人民元売り介入を受けて、国内では過剰流動性が発生しやすい状態が続くため、年明け後も預金準備率の引き上げを含めた追加引き締め観測が残りやすい状況」と予想。

 また同社は、「人民元売り介入を通じた過剰流動性問題を断ち切るためには、人民元を米ドルに対して一度に数%切り上げることで、人民元の先高観を後退させることが効果的。2011年1月19日に胡錦濤国家主席が、オバマ大統領就任後初めて米国を公式訪問する予定であり、その前に人民元切り上げが行われる可能性も否定できない」として、切り上げの可能性にも留意を促している。

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