2011年の経済「10大サプライズ」予想

 2011年の世界の、そして日本の経済情勢はどうなるのか? 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長が、2011年の「10大サプライズ」を予想した。

1)TPP(環太平洋経済連携協定)参加表明で、日経平均は1万5000円へ
TPP参加表明で「ついに日本は変わった」と評価が一変すれば外国人の買いが殺到し、日経平均の1万5000円突破も夢ではない。

2)聞こえてきたインフレの足音、QE2(量的緩和第2段)は早期打ち切りへ
先進国では金余りと財政赤字、新興国では需要拡大と賃金上昇と、インフレの条件はいくつもある。インフレを加速するとの批判も強いQE2は打ち切りへ。

3)3年ぶりに先進国株式が、新興国株式をアウトパフォーム
景気の強さでは2011年も新興国が上だが、利上げが着々と進行中。規制強化などで新興国への資金流入が一服すれば、2011年は3年ぶりに先進国株が雪辱か?

4)2011年米景気浮上! オバマ大統領の再選に青信号点灯
直近調査では支持が不支持を再度逆転。減税延長効果で2011年の米景気の成長が加速すれば、支持率はますます回復。2012年の大統領選での再選に向けて青信号が灯る。

5)ストレステスト無事クリア、見直し買いから欧州周辺国の債券が急騰
次に支援を仰ぐのはポルトガルかスペインかと市場は戦々恐々だが、第二次のストレステストで市場の信認を回復できれば、周辺国債券は急反発が予想される。

6)ドル信認回復、金先物価格は11年ぶりに下落
インフレ懸念により米国の金利が上昇、ドルキャリー一服でドルが持ち直し。その結果、金は11年ぶりに下落する。デフレ懸念が強まる中で金は上昇してきたので、インフレになっても上がるとは限らない。

7)消費税引き上げで日本国債、円が上昇
「このままでは格下げも免れない」と日本国債に対する売り圧力が強まったその時、「消費税率の引き上げを含めた税制の抜本改革案をまとめ、総選挙で国民の信を問う」との声が……。日本に対する信認が回復するシナリオ。

8)自社株買い急増。2011年は「株主還元元年」に
業績回復の一方で設備投資は抑えられており、企業の手元流動性は極めて潤沢。2011年は自社株買いや増配が急増して「株主還元元年」に。

9)アジアマネー上陸! 日本の地価は下げ止まりへ
資金豊富なアジアの投資家からみれば、高騰する自国の不動産よりも、日本の不動産のほうが魅力的と感じられる。今年はこの傾向が一層強まり、日本の不動産価格が下げ止まる。

10)天までとどけ、〝スカイツリー〟のように
12月に完成予定の東京スカイツリー(2012年春開業)は、年552万人の来場者を見込む。経済波及効果とともに、事業主体の東武鉄道のほか、関連商品を販売するタカラトミー、併設施設でプラネタリウムを運営するコニカミノルタの株価にも注目。

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