「東京スカイツリー」の経済効果は880億円

 2011年12月に完成、2012年春に開業予定の「東京スカイツリー」。世界第1位の高さとなるテレビ塔は、その年間の経済波及効果が880億円に達すると見込まれている。果たしてこの経済効果の試算は、どこまで現実的なのだろうか? 旭化成は、この効果をさまざまな角度から分析した。

 東京スカイツリーのデザインは五重の塔を参考にしており、カラーリングは日本の伝統色である「藍白(あいじろ)」が基調色。東京タワーの赤に対して、「和」の渋い色遣いを意識している。ライティングのコンセプトは「粋」と「雅」で、淡いブルーや江戸紫といった、日本らしい色を意識した照明計画。照明はもちろんLEDで、日本の伝統と先進技術を結集させた、世界一の電波塔になる予定だ。

 年間来場者数はツリーだけで552万人、周辺施設には2085万人の来場者が見込まれ、開業後の経済波及効果は年間880億円と推計されている。

 墨田区業平1丁目の2010年1月の地価公示をみると、06年には一気に104.2%、07年には123.7%、08年には108.9%の上昇率と高騰を記録。さすがに09年には下落に転じたものの、眺望にこだわる人を狙って、城東エリアのマンション市場が活況を呈している。

 この種の来場者数の推計は、いざふたを開けてみると実際には異なることが多い。しかし別の調査をみても、東京スカイツリーへの関心はやはりかなり高いようだ。ネットリサーチのディムズドライブが2010年6月に行った調査によると、「ぜひ」の28.6%と「機会があれば」の60.4%を合わせると、ほぼ9割の人が「行ってみたい」と回答している。

 どの程度の経済押し上げ効果が期待できるのか未知数ながら、今年は東京スカイツリーの動向から目が離せない。

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