「金」「銀」で1位、日本は巨大な「都市鉱山」

 「地下資源」としての金属資源は枯渇するかもしれないが、それは「地上資源」に形を変えるだけであるため、金属資源は再生可能な資源として考えることができる。廃棄された電子機器などに含まれる金属を、鉱山に見立てたものが「都市鉱山」。日本の「都市鉱山」の規模はどれくらいなのか? 共立総合研究所の河村宏明氏が調査した。

 日本の都市鉱山規模について独立行政法人物質・材料研究機構の計算によると、「金」が世界の埋蔵量の約16.4%、銀が約22.4%、インジウムが約15.5%という結果になった。また、この都市鉱山量を世界の埋蔵量の国別順位に当てはめると、金、銀が1位、銅、インジウムが2位となる。地上資源に目を向けると、日本は堂々たる「資源大国」だ。

 ここでポイントとなるのがリサイクル。「家電リサイクル法」や「自動車リサイクル法」など個別のリサイクルシステムは存在するが、まだ有効なリサイクル手段が確立していない物にも今後は網をかける必要がある。そのためにはゲーム機や携帯音楽プレーやなどの「小型家電」、「パソコン」「デジカメ」「カーナビ」などからも、有効に資源を回収する手法の確立が求められる。

 資源は有限であることを考えると、「資源がある国」もいつかは「資源のない国」となる。逆に日本のような「資源のない国」は、将来的に資源大国になる可能性がある。地下資源はいつか枯渇し、それが地上資源としてストックされていく。資源の枯渇問題に対して、日本が果たすべき役割は非常に大きい。

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