中流層の台頭、アフリカは次のBRICs?

 「BRICs」や「NEXT11」などの新興国の高成長が話題となる中で、やや取り残された感のあるアフリカ大陸。しかしアンケート調査によると、2011年はアフリカ経済の成長に対する期待が強いようだ。アフリカ経済は、はたして高成長を続ける新興国の仲間入りができるのか?

 「ギャラップインターナショナル国際世論調査」は、世界53カ国の人々を対象に2011年がどのような年になるかを調査した。「2011年は2010年に比べて、よい年になるか、悪い年になるか」という質問に対して、世界全体の42%が「良い年になる」と回答、「10年と同じ」は32%、「悪い年になる」は19%と、全体としては楽観的な見方が悲観的な見方を上回った。

 地域別にみると楽観的な見方が悲観的な見方を上回っている地域は、アフリカ(76%)、中南米(54%)、東アジア(47%)、南アジア(32%)の順となった。

 ちなみに「BRICs」に続くと言われる「NEXT11」には、エジプトとナイジェリアの2カ国が含まれるにすぎない。ただし、2007~08年にケニア、タンザニア、ウガンダの3カ国は高成長を記録。世界景気がどん底にあった09年、アフリカ大陸の成長率は2%近くあった。これは中国とインドを除く、すべての地域を上回る数字だ。IMF(国際通貨基金)は、2010~11年にアフリカは年率4.8%成長すると予想している。

 成長の原動力は原油やダイヤモンドなどの資源輸出だけでなく、内需が急拡大。過去4年間のアフリカのGDP成長率の3分の2は、モノやサービスに対する民間消費の急増によるものだ。中流層の台頭も著しく、アフリカの人口10億人のうち、最大3億人に上るとされる。ガーナ、ボツワナなど経済活力にあふれた国では、前例のない頭脳「流入」も始まっている。

 BRICsの名付け親であるゴールドマンサックスのジム・オニールは最近のレポートで、「南アフリカがBRICs諸国と対等の規模を持つことは考え難い」としたうえで、「ただし、アフリカ大陸全体をみればインドやロシアと同等の規模があるため、南アフリカが大陸の代表としての役割を果たすのであれば、彼らのBRICsへの参加は妥当であるかもしれない。弊社としては、アフリカ大陸全体の潜在規模は、ブラジルやロシアと同等であると考えている」と述べている。

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