ブラジルへの資金流入が鈍化する可能性

 ブラジル中央銀行は金融システムの保護を目指し、市中銀行による外国為替相場での過剰な持ち高を縮小する措置の導入を発表した。アナリストらは中銀による今回の措置について、1ドル=1.65~1.70レアル付近の現行水準から、レアルが大幅に上昇することを阻止しようとする意図を示すものだと解釈している。米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。

 市中銀行のドルの売り持ちは、常にブラジル・レアルに対する上昇圧力の一因となっており、ブラジル政府は同国の輸出企業、特に製造業者に対するドル売り持ちポジションの影響について懸念している。

 ブラジル中銀のアルド・メンデス金融政策局長は記者会見で、「中銀がこの日発表した政策の結果、ドルのショート(売り持ち)ポジションは、(168億ドルから)約100億ドルに縮小する可能性がある」との見方を示した。

 また、サンパウロの証券会社NGOコレトラ・デ・コンビオのシドネイ・メーネ氏は、同紙のインタビューに対して、「当面、為替市場に影響を与えるとみられる厳格な措置だ。銀行各行は市場でそれぞれの(ショート)ポジションを買い戻す必要が生じる」と語った。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる