新聞が消えて無くなる日

 新聞の発行部数が年々減少している。情報手段が著しく多様化、低廉化している現在、これまで情報媒体として不動の地位を保ってきた新聞も、この先盤石とは言えないだろう。「新聞が消えて無くなる日」が、まったくあり得ない話だとは言い切れない。

 新聞協会の調べによると、一般紙とスポーツ紙を合わせた新聞の発行部数は、2000年には5370万部あった(朝夕刊セットを1部で計算)。それが2009年には5035万部となり、6%強減少した。

 一見するとなだらかな減少のようだが、2008年にマイナス1.0%、09年にマイナス2.2%と、足元で減少幅が拡大。新聞発行部数は加速度的に減少し続けている。また、一世帯当たり部数は2000年に1.13部だったが、2008年には1部を割り込み、09年には0.95部となった。

 大和総研の川村雄介専務理事は「クオリティ・ペーパーだったはずの大新聞の一部にすら、最近はまるで扇情的な大衆週刊誌のような見出しや記事が散見される。これなら150円出して毎朝、朝刊を求めるよりも、ゴシップ中心の週刊誌を買うほうが安くつく」

 さらに、「ましてやネットならタダだ。反対に質の高い品格ある内容であれば、200円出しても新聞を買う。近い将来、新聞が消えてしまうかどうかは、まずもって記事のレベルと報道ぶりという、当然すぎる基本姿勢にかかっていることを忘れてもらいたくない」と手厳しい。

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