エルメス対LVMHの勝負が終わった

 世界最大のラグジュアリーコングロマリットLVMHが株式を20%超保有している件で、エルメスは6日、創業家の家族会議がパリで行われ、持ち株会社化に移行することで満場一致で可決した、と発表した。創業家は合計で70%以上の株式を保有している。

 エルメスの家族会議とはイコール臨時株主総会でもあり、来たるべき外敵LVMH会長ベルナール・アルノー氏からの買収の脅威に晒される前に手を打っておこうというものだ。残りの少数株主の株式も買い取る意向がある、と見る向きもある。

 発表では「エルメスの伝統と文化を守るため」の決定としている。アルノー氏もエルメスという仏文化を守るため、と近い人物に語っているとされるが、ラグジュアリーブランドの世界に資本の論理を持ち込んだ侵略者とも捉えられている。これまでいくつものブランド争奪戦を戦い、世界最大のラグジュアリーブランド帝国LVMHを築き上げた。

 アルノー氏は買い増して保有比率は20%超となったが、ファミリーが団結したことにより、買い増しを継続していくことも難しくなりそうだ。

 ただ、創業家ファミリーなどが大株主ではない、バーバリーなど標的になりそうなブランドはまだまだ存在する。


よかったらシェアしてね!
目次
閉じる