依然として多い中国の不動産富豪

 米経済誌フォーブスと中国建設銀行が北京で「中国個人財富白書」を発表し、中国で1000万ドル以上の資産を持つ人は38.3万人に上ることが明らかになった。そのうち不動産業で利益を上げた人が11.6%を占め、6割以上の富豪が投資先に不動産を選んでいた。

 同報告書によると、1000万ドル富豪が1万人以上の省(市)は11か所で、全体の75%以上に上った。特に、広東、浙江、北京、上海、江蘇の5か所に富豪が集中していて、全体の62.3%を占め、2005年の59.8%を上回った。一番多かったのは広東省で8万人近く、次に浙江省、江蘇省、北京市、上海市が続いた。約6割の富豪が不動産業だった。

 2007年、1000万ドル富豪の数は28.7万人だったが、金融危機の影響で2008年は24.8万人に減少。2009年には金融危機から脱出し、その前の水準を越える33.1万人になっていた。様々な規制が行われているが、ここ10年来中国の不動産価格は上昇し続けていることもあり、2010年の富豪数も増加したといえる。

 依然として投資先に不動産を選ぶ富豪が多い一方、投資先として海外を選ぶ富裕層も顕著だ。約2割の富豪が海外の不動産や株式に投資している。最も人気が高いのが香港で、次が北米。特に香港の豪華住宅は中国富豪の富の証になっているようだ。香港島に作られた住宅は市場価格5億元(約45億円)だったが、即座に富豪5人が購入した。うち4人が中国内陸部からだったという。

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