これから投資するならトルコにも注目

 新興国の成長が著しいが、まだ注目度が低い有望国の一つがトルコ。有力新興国群「VISTA」(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)の一角を占める。慢性的な貿易赤字が課題だが、ギリシャのような公的債務問題とは無縁。リーマンショックの影響を最小限に食い止め、足元の経済見通しも明るい。

 代表的な株価指数「イスタンブールナショナル100指数」は、この1年間では54000ポイントから67500ポイントまで25%近く上昇し、堅調な動きを維持している。新興国の常として流動性に欠け、海外からの資金の流出入によって乱高下するのが難点だが、中長期的には上昇トレンドを維持している。

 リーマンショック発生後は景気が落ち込んだものの、2009年第4四半期にはプラス成長を回復し、10年第1四半期は中国に次ぐ11.7%の成長を記録した。若年人口層が厚いことを背景に、旺盛な内需が景気をけん引している。

 財政の健全化も進展。国営企業の民営化や安定した税収により、基礎的財政収支の黒字目標(対GDP比6.5%)を概ね達成。公的債務残高も減少傾向にある。

 課題として指摘されるのは「慢性的な貿易赤字」と「対外借入への過度の依存」。ただし日本貿易保険によると、「全輸出の6割を占めていた欧州向けが5割を切る一方、中東向けや北アフリカ向けが増加している」とのことで、輸出先の多様化が進んでいるようだ。

 日本からの投資手段としては「損保ジャパン フォルティス・トルコ株式オープン(愛称:メルババ)」など、数種類の投資信託がある。

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