景気持ち直しを示唆「景気ウォッチャー調査」

 12月分の景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、2か月連続で改善した。同指標は景気に敏感な小売店員や企業経営者など、約2000人を対象に景況判断を聞いたもの。設備投資計画や雇用の面でも緩やかな改善が確認され、調査は「景気は、このところ持ち直しの動きがみられる」と結んでいる。

 12月の現状判断DIは、前月比1.5ポイント上昇の45.1となり、2か月連続で上昇した。家計動向関連DIは、クリスマス商戦において高額商品に動きがみられる等、消費動向に下げ止まり感がみられることにより上昇。また、企業関連動向DIは、製造業の一部において海外からの受注が増えていること等から上昇した。また、12月の先行き判断DIも改善。前月比2.5ポイント上昇の43.9となり、2か月連続で上昇した。

 実際の回答としては、家計関連で「おせちやクリスマスケーキの販売量が貢献し、売上高と販売量が増えている」(北関東:コンビニ)、企業関連で「量的な面で受注が増加している。機械関連では、海外での設備投資の影響で受注が増えている」(北陸:税理士)、雇用関連では「IT関係の求人が本格的に動き始めている」(近畿:人材派遣会社)など、景気持ち直しを示唆する発言が聞かれた。

 マネックス証券の村上尚己チーフ・エコノミストはレポートで、「過去2回のウォッチャー調査反転の持続期間は5~6カ月。経験則的には2011年4~5月までは同サーベイの上昇が続くことになる。同サーベイが上昇に転じる時期は、日本株の上昇局面と重なる」とし、「日本株は割高ではない」と述べている。

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