インドネシアの株価急落は一時的か?

 インドネシアの株式市場は11日まで4営業日続落。10日には4.2%の急落を演じ、6日~11日にかけてのジャカルタ総合指数の下げ幅は8.7%に達した。「中銀のインフレへの対応が後手に回っているのではないか」との懸念が悪材料。12日以降は安定した動きを回復しているが、下落相場は一時的なもので終わったと言えるのだろうか?

 国際投信投資顧問は臨時レポートで、今回の株価下落の背景として、「アジアや中南米諸国のインフレ懸念が焦点となりつつある中で、昨年、株価が大きく上昇し、インフレ懸念が高まる中でも政策金利を過去最低水準に維持しているインドネシアの株式は、利益確定売りの対象となりやすかった」と指摘。

 1月5日の中央銀行政策決定会合では利上げが見送られたものの、2月以降は利上げが実施されるとの観測が広がっている。その他、この期間は米雇用統計の低迷やポルトガルの国債入札が懸念されていたことも、株価の下押し要因になったと考えられる。

 同社のレポートは「今後は利上げによる引き締め効果と海外からの資本流入の影響を見極めながら、慎重なかじ取りが求められる。ただし、同国の2010年の実質GDP成長率は6%程度と予想されるなど、経済のファンダメンタルズは良好。インフレを適度に抑制することにより、今後も投資魅力の高い市場になると考えられる」と述べ、今回の株価急落が一時的な可能性を示唆している。

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