エルメス創業一族が仲間割れ、LVMHにもチャンスが

 仏高級ブランド、エルメスの創業一族がLVMHからの買収に備えるために持ち株会社を設立した件で、創業一族のうち20人が、持ち株会社に株式を譲渡しない意向を明らかにした。「エルメス7:2LVMH」というスコアで勝負は終わったかに見えたが、LVMHに反撃の余地が生まれたことになる。

 ブルームバーグの報道によると、今回離脱の意思を表明した20人はエルメス株を少なくとも7%保有。その一方、一族が先月設立を発表した持ち株会社の保有比率は50.2%だ。持ち株会社は、保有株とは別に、株式約12.6%の買取の最優先オプションを持つという。

 エルメスは1月6日に、臨時総会を開催。満場一致でブランドを守っていくことを決め、持ち株会社化に賛同した旨の発表を行っていた。強固な団結と見られていた一枚岩のモロさを意外にも露呈する形となってしまった。

 この敵失によって、LVMHの会長ベルナール・アルノー氏には、さらに買い増す余地が残ったことになり、首の皮一枚つながった格好だ。20人の持ち株比率は少数だと見られる。


エルメスの先代当主の故ジャン・ルイ・デュマ氏

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