白川日銀総裁、景気の緩やかな回復を示唆

 日本銀行の白川方明総裁は17日午前、定例の支店長会議であいさつし、景気の先行きについて「改善テンポの鈍化した状況がしばらく続いた後、世界経済の成長率が新興国・資源国にけん引される形で高まっていくもとで、緩やかな回復路線に復していくとみられる」と述べた。

 発言のポイントは以下の通り。

1)世界経済は、減速しつつも回復を続けている。欧州ではソブリンリスクを懸念する動きがあるが、全体としてみれば安定を保っている。

2)わが国景気は、緩やかに回復しつつあるものの、改善に一服の動きがみられる。

3)先行きについては、景気改善テンポの鈍化した状況がしばらく続いた後、世界経済の成長率が、新興国・資源国にけん引される形で高まっていくもとで、緩やかな回復経路に復していく。

4)物価は基調的に見ると、下落幅は縮小を続けている。先行きは、引き続き消費者物価の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。

5)わが国の金融環境は、企業の資金調達コストが低下傾向にあるほか、金融機関の貸出態度が改善するなど、緩和方向の動きが強まっている。

6)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。

 要旨をみると、現状には厳しい判断も残るものの、先行きについては全体的に楽観的なトーンが強まっている。

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