国によってこんなに違うアジア人の嗜好

 「少子高齢化、市場縮小に悩む日本は、アジアの需要を取り込まねばならない」。お題目のように繰り返されてきたセリフだが、アジアと一口にいっても、その国民性も嗜好も多様だ。「売れすぎ商品」が国によって異なるのも当然。どの国で、どのような商品が売れるのか? 国によってその戦略はまったく異なるようだ。 

 日本貿易振興機構(JETRO)では、「アジア売れ筋商品調査」をテーマに詳細な調査を行った。その結果は100ページに及ぶ膨大なレポートにまとめられ、内容は微に入り細に入る。

 製造業だけでなく、最近では日本の小売りや飲料・食品、サービス業などでもアジア進出が盛ん。一例を挙げれば、飲料・食品ならアサヒビール、カルピス、明治乳業、明治製菓、ニチレイなど、多くの企業が進出している。

 しかし食品などは、それぞれの国民の嗜好にダイレクトに影響を受ける典型例。そこでレポートは、それぞれの国民の食文化について以下のように分析をしている。

【ベトナム】朝食は家で食べず、外出先で食べる。シーフード味を好む。辛くて酸っぱい味も好む。
【インド】人口の50%以上がベジタリアン。牛肉は宗教上御法度で豚肉も食べない。基本的にカレー味で、スパイスが効いたものを好む。
【タイ】日本食を普段の食事でも好むようになった。刺身、特にサーモンを好む傾向。
【マレーシア】お菓子では、甘辛い味が人気。健康志向が強い中華系は、塩味の強いものを避ける傾向。
【フィリピン】味についてはあまり冒険をしない。油で揚げたものと砂糖を好む。

 レポートはその他、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、ジーンズ、ブラジャー、UVクリームやオムツまで売れ筋商品を調査。企業にとってはアジア進出の「虎の巻」といえる資料かもしれない

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