インドのインフレ加速、株価は当面は調整局面か

 インドではインフレが再加速。インド準備銀行(RBI)が利上げ再開を迫られる可能性が高く、株式市場は調整局面を迎えている。インド・ムンバイ証券取引所の代表的な株価指数「センセックス30種株価指数」は昨年9月から堅調な展開だったが、年明け後は調整局面を継続。この傾向はしばらく続く可能性が高い。

 17日のセンセックス30種株価指数は若干の上昇。ソフトウェア輸出でインド最大のタタ・コンサルタンシーなど、ソフトウェア関連銘柄が上昇をけん引した。指数は前週末比21.81ポイント上昇の18882.25で引けた。
 
 同指数は昨年9月の18000ポイント近辺から、昨秋には順調に上昇。その後は11月の21000ポイント台を高値に調整局面に入り、足元では最高値から約10%下げた水準。

 調整の背景にあるのはインフレ懸念だ。昨年12月の卸売物価指数は前年比+8.4%となり、前月の+7.5%から加速。長雨や寒波の影響で、特に食品価格が上昇した。インドでは中高所得層の増加で食生活が大きく変化し、牛乳、卵、肉、魚など、高タンパク食品への需要が強まっている。

景気回復が続く中で、需要側からのインフレ圧力は今後も拡大する見通し。RBIは昨年4月から6回の利上げを行ったが、12月は静観した。国際投信投資顧問は「インフレ圧力が高止まる中、当面、インドの通貨、債券、株式の上値は重くなるだろう」との見方を示している。

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