伊首相「離婚後に関係を持った女性は一人だけ」

 未成年に売春を強要したとして、ミラノ地検から捜査を受けている伊ベルルスコーニ首相。この数日、検察側が議会に提出したレポートや裁判所出廷の召喚などを受け、いよいよ窮地に立たされたか!と思われたが、そこはやはり百戦錬磨の大富豪だ。

 18日以降、傘下のテレビチャンネルのニュースでビデオメッセージなどを流し、自分は潔白であること、最後の妻であるヴェロニカ夫人との離別後は、ただ一人の女性としか関係をもっていないことを明らかにした。「この女性とは現在も関係が続いており、17歳のモロッコ人少女(通称、ルビー)を自宅に招いて性的関係を持ったとされている夜もこの女性と一緒だった」と赤裸々に告白した。

 さらに続けて「私が金で女性を買うなど考えられない話だ」と自ら国民に向けて語りかけた。

 しかし、検察側は一連の動きに関して、すでにこの17歳の少女を含む関係者の会話の盗聴に成功。数々の決定的な証言を得ている。中には、現地メディアで取りざたされている首相と複数の未成年女性との関係を証明する会話が出ている。

 それは「ここ(首相の私邸)で何が行われているのか知ってる? 想像つかないでしょ!新聞では真実のかけらも話されていないわ!」という女性たち同士の会話。当のルビーが自分の父親に「私の名を汚した代償に、ベルルスコーニに500万ユーロ(約5億円)を要求してやったわ。彼は、欲しい額はくれてやるから、とにかく黙っていろと言ったの」などと話している会話もあったそうだ。

 首相はこれら複数の少女達に見返りとして、自身が都市計画したミラノ郊外のニュータウン“ミラノ2”のアパートを提供していたという情報も挙げられている。しかし、渦中の17歳、ルビーの弁護団側は、5億円要求に関しては、一切を否定している。

 贈賄・汚職事件は今までも数多くあったイタリアだが、色恋沙汰に金で公的な立場の人間にメスが入り、このような広がりを見せたことはなかった。

 もはや、首相としての免責特権もない待ったなしの状態の中、現地メディアによると首相は、「召喚などバカバカしい。むしろこのざまを楽しんでいる」と話しており、あいかわらず余裕だ。検察側は出廷要請の議会承認を取るつもりで、双方の対立は続きそうだ。

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