国債保証率の上昇は「日本売り」の前兆?

 債券が債務不履行になった場合のリスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、日本国債を対象とするCDSの保証料率が上昇している。18日の終値は0.86%で、半年ぶりの高水準。一部では「日本売りの前兆」との声も聞かれる。

 保証料率の0.86%は、昨年7月19日以来の高水準。保証料率は昨年後半にはいったん落ち着き、10月13日には0.52%まで低下していた。

 その後じわじわと上げ始めた背景には、2011会計年度に過去最大規模の国債発行が予定されていることや、欧州財政不安の連想がある。一部では「日本の財政破たんの可能性」や「日本売りの前兆」を危ぶむ声も聞こえ始めた。

 もっとも実際に財政危機に瀕する欧州諸国では、保証率は18日終値でアイルランドが6.29%、ポルトガルが4.84%、スペインが2.87%で、日本や米国(0.51%)、ドイツ(0.6%)とはケタが違う。

 日本の財政状態が先進国中最悪であることは、世界の公知の事実。もちろん危ういバランスが、いつまで保たれるのかはわからない。「財政の発散」「日本売り」という最悪の事態を避けるためには、6月にもまとめられる「税制と社会保障の一体改革」の中で、消費増税導入の時期や幅が示されるかどうかが注目される。

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